out of ...

東京の空は好きではない。
晴れていても、どこか青空になりきれない空。
心が洗われるような晴天の気持ちよさを感じる日は少ない。
その数少ない青空は、台風が過ぎた直後だけ姿を現す。
年に数回だけ垣間見ることができるスッピンの空は、なんともいえず気持ちがいい。
古い言い方だが、故郷の青空と同じ雰囲気。
台風は、道路のゴミを吹き飛ばすのと同様に、空を曇らせる何かも吹き飛ばしてくれているのだろうか。

気持ちのよい空を見ながら、ふと思う。
吹き飛ばされた道路のゴミは、どこかに吹き溜まる。
では、空を曇らせる何かも、どこかに吹き溜まっているのだろうか。
目に見えないところ、青空の片隅に吹き溜まり。
確実に進む空の汚染。
道路のゴミを取り除くように、元の状態に戻せるだろうか。

ニュースや天気予報のように、リアルタイムで"空の片隅情報"が浸透していけばいいと思う。
きっと、今よりもっと空がみんなに近くなるはず。


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