「地下浸水」は、集中豪雨などで地下室に水が流れ込む都市型災害で、気づくのが遅れがちなため、急激な増水による死者も出ている。
対策としては、防水壁を手動で立てるというものだったが、近頃、水かさが増すと自動的に防水壁が立ち上がるものが開発された。
「バリボード」(環境機器メーカー「アニメックス」)という商品名で、浸水を防ぐ切り札として期待されている。
(しくみ)
①普段は鉄製の壁が地中に埋設されているが、集中豪雨などで地上が冠水すると、付属ボックスに流入した雨水の重みで水道のバルブが開く。
②流れ込んだ水道水の圧力でシリンダーが押し上げられ、立ち上がる。
(長所)
①停電になることが多い洪水時に、電力を使わずに作動する。
②幅5m、高さ1.5mのボードで、5.25tの水圧に耐える。
(質疑)
付属ボックスへの雨水流入口は、ごみで詰まったりしないの?

先頃、溜池山王で道路が水没した。
突然の集中豪雨で、あっという間に水びたし。
防水壁を立てて防ぐことができたビルは皆無に近い状態だった。
その存在すら知らないビル管理者も多かったらしい。
あの日から、地下鉄の入口に防水壁が仕込まれ、ビルの入口には防水壁が常駐。

年月が経ち、防水壁がしまわれた頃、集中豪雨がやってくる。
このとき、迅速に行動し、防水壁を立てる人間が何人いるだろうか。
と考えると、自動防水壁は有効だろう。

人間は忘却の生き物です。