クレイアニメ「ピングー」は、カルロ・ボノーミ(イタリア人俳優)が、たったひとりで全キャラの声優をこなしているらしい。
メイキングビデオに収録されていた。
ピングーでもあり、ピンガでもあり、ロビでもあり…。
収録スタジオは、まさにひとり芝居の世界。
かけあいも沈黙も思いのまま。
しかし、それだけ多彩な人になると、風邪を引いて声が出なくなった時などは、一大事。

アニメで、声優が変わったことに気付いてしまう時ほど悲しいものはないと思う。
声が変われば、キャラクター自体の印象も変わってしまうのだから。
そんな時には、ぜひ、ものまね名人に活躍して欲しい。
いつもは、まねる事でみんなを笑わせたり、感心させていた自分が、仮想世界のキャラクターに命を吹き込む。
顔は出ないので、物足りなさもあるかもしれないが、そこには一味違った充実感があるはずだ。
キャラクターを大事にする。
ルパン三世の山田康雄氏の跡を継いでいる栗田貫一氏などはまさにそのいい例だ。

そう考えると、声にも霊が宿るということを感じずにはいられない。
“言霊”はきっと、そんなところが起源なんだろうと思う。