平成23年(2011年)日本建築学会東北地方太平洋沖地震および一連の地震 緊急調査報告会
 日時 2011年4月6日(水)13:30~17:30
 場所 建築会館ホール
 主催 日本建築学会 東北地方太平洋沖地震調査復興支援本部

以下は、個人的なめもです。

1.地震特設サイトなどへのアクセス数
  ・発生後2~4日後にピーク
  ・土日休日は減

2.震度のわりに、建物被害が少ないわけ
  ・大加速度だが、短周期が卓越しているため
  ・最大震度は以下(震度6以上のみ記載)
   →宮城県 震度7
   →福島県 震度6強 
   →茨城県 震度6強 
   →栃木県 震度6強 
   →岩手県 震度6弱 
   →千葉県 震度6弱 
   →埼玉県 震度6弱 
   →群馬県 震度6弱 

3.新潟、長野、静岡は、誘発されて起きた地震

4.主な被害状況
  旧耐震
   「W造」
    ・1階の倒壊
    ・漆喰壁などの崩落
   「RC造」
    ・柱せん断破壊
    ・塔状建造物(煙突・塔屋など)の倒壊
   「S造」
    ・屋根ブレースの破断(ガセットプレートの溶接部)
    ・非構造部材(間仕切・天井など)の落下
    ・ALC外壁も落下
  新耐震
    ・全体的に軽微な被害(クラック程度)
    ・構造的被害はみられない
  共通
    ・屋根瓦の破損
     →建物規模を問わず被害あり
    ・沿岸部で標高が低い部分は津波被害
     →木造家屋の被害が顕著
    ・液状化現象による噴砂、建物の沈下や傾斜
     →液状化被害は海や沼の埋立地に集中
    ・ブロック塀倒壊
    ・EXP.J破壊
    ・地すべり発生
    ・ガスタンクや石油基地などの津波被害でインフラストップ

5.1階腰壁の伸びに伴う柱脚の曲げひび割れ発生?
  ・地盤が影響?

6.東北支部
  ・調査範囲は、八戸からいわきまで
  ・東部道路の土手が津波をストップ
  ・津波で残った建物から津波の外力を算出できるのでは?
  ・1階をRC造、2階より上をW造とするハイブリッドの提案
  ・津波被害について、土木と共同研究が必要
  ・目標は、「調査継続」と「地域貢献」
  ・各市町村と連携
  ・宮城県沖地震の時に、すでに鉄筋が破断していた?
  ・地震動被害と津波被害を整理する必要性あり

7.地盤条件による被害の差が顕著
  ・やはり沖積平野は災害に脆弱
  ・マイクロゾーニングが必要

8.津波についての土木的見地
  ・深さ1000mの体積が5m上がったエネルギーがそのまま津波に
  ・浸水高も遡上高も今までにない高い数値
  ・釜石では、堤防が基礎ごと津波被害に
  ・海岸沿いの建物の構造種別によって、内陸の建物被害に違いが
  ・RC造の地震外力>津波外力>W造の地震外力
  ・女川では、RC造も津波で転倒
   →開口部が小さいので水が建物内に入らず、外力により破壊?
   →浮力によって破壊?
  ・防波堤や防潮堤、防潮林は、津波エネルギーの軽減や時間稼ぎに貢献
  ・貞観地震の経験からは、想定外とは言えないのでは

9.日本建築学会
  ・4/11に「復旧復興に関する意見交換サイト」を立上げる予定