2002年10月アーカイブ

レンタブル比

レンタブル比とは、延床面積に対する貸室面積の割合のことです。
一般にレンタブル比が高いほど、効率よく貸室業を営めるといわれています。

が、そんなことありません。
少なくとも、ここ数年ではそのロジックは怪しいものです。
貸室面積が多いからいいかというとそういう問題ではないと思います。
例えば、賃貸マンションなどで空室が目立っても、デザイナーズマンションは次期入居者も予約でいっぱいだったりしますよね。賃料はめっちゃくちゃ高いのに。
やっぱり、貸室面積が少なくなっても、質の高い空間が評価されて、回転がいい方が効率がいいですよね。
面積にばかり着目すると、共用部分であるエントランス、EVホールなどが削られていくので、部屋にたどり着くまでのプロローグや心理的ゆとり(質の向上要素)が削られてしまうのです。

ユーザーは、量ではなくて、質を求めているのではないでしょうか。
クライアントに提案する時に、「こんなに貸室面積が多くとれます。」ではなく、「こんなに心地よい空間が創れます。」といえるようでなくては、21世紀では淘汰されてしまうのではないでしょうか。

有言実行でありたい今日この頃です。

無意識

レンタルサーバーに移行するのに伴って、過去コラムを読み返してみました。

ふと気付いたのですが、コラムによって、文体が常語だったり敬語だったりします。
コラムを書いた時の状態によるのだと思いますが、なんとなく敬語の方が読んでくださいという"姿勢"が感じられ、読み手に対して配慮されている気がします。

クギリ

就職したら、プロポーズしよう。
この試験に受かったら、車を買おう。

自分自身の中でクギリというものが存在しますか?
ある条件を充たせたら、次の行動を起こすことができるという自分勝手。
しかし、いつも以上の力を奮い起こさせるマジックタイム。
「AをがんばったらBというご褒美」というロジックでしょうか。
AはBのための通過点なのか、はたまた、AのためにBを掲げるのか.......。
基本的には「期が熟するのを待つ」なんでしょうが、そのB瞬間を逃したら、次のチャンスはいつやってくるのか.......。

就職しなくても、プロポーズしましょう。
試験に受からなくても、車買いましょう。

その方が、どちらも叶えることができるような気がします。

out of ...

東京の空は好きではない。
晴れていても、どこか青空になりきれない空。
心が洗われるような晴天の気持ちよさを感じる日は少ない。
その数少ない青空は、台風が過ぎた直後だけ姿を現す。
年に数回だけ垣間見ることができるスッピンの空は、なんともいえず気持ちがいい。
古い言い方だが、故郷の青空と同じ雰囲気。
台風は、道路のゴミを吹き飛ばすのと同様に、空を曇らせる何かも吹き飛ばしてくれているのだろうか。

気持ちのよい空を見ながら、ふと思う。
吹き飛ばされた道路のゴミは、どこかに吹き溜まる。
では、空を曇らせる何かも、どこかに吹き溜まっているのだろうか。
目に見えないところ、青空の片隅に吹き溜まり。
確実に進む空の汚染。
道路のゴミを取り除くように、元の状態に戻せるだろうか。

ニュースや天気予報のように、リアルタイムで"空の片隅情報"が浸透していけばいいと思う。
きっと、今よりもっと空がみんなに近くなるはず。


月別 アーカイブ